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『妃奈、色々ありがとね?話聞いてくれて嬉しかった』


「あたしこそ話してくれて嬉しかったよ!それと、この二日間凄く楽しかった。ありがとう!お兄さんと嵐さん達にもお礼言っておいてね」


『うん、言っとく!また泊まりに来て!毎週来てくれても全然OKだから!』


「ホント?そんな事言われたらホントに毎週来ちゃうよ?」


『いつでもカモーン!』



駅の改札口。


昨日、妃奈と待ち合わせした場所でお別れ。


少し、ううん、凄く寂しい。


この二日間はホントあっという間で、凄く楽しい二日間だった。


そのせいか、名残惜しくて仕方ない。


だからいつまでも別れの時をのばしていたり。



『妃奈~絶対遊びに来てね?』


いつまで経っても離そうとしないあたしに妃奈は苦笑しながら「次は凛音ちゃんが泊まりに来てね」と言って、改札口を抜けて行った。


振り返り、笑顔で手を振りながら歩いていく妃奈に向かって姿が見えなくなるまで手を振り続ける。


『行っちゃった……』


見えなくなると一気に寂しさが押し寄せてきて。


今度は妃奈んちにお泊まりしに行こう。


歩きながら、今見送ったばかりの妃奈へありがとうメールを送る。


『ヤバイ。早く行かなきゃ!』


結構時間を食ってしまった。


貴兄達が待ってるのに、また怒られちゃう。


スマホをポケットに入れて、歩く速度を速める。