同時刻、鳳皇リビングにて。
-煌 side-
「……クソッ、出ねぇ!」
「アイツ、忘れてんのか?」
無機質なコール音が鳴り響く携帯を荒々しく閉じて、持て余しているイライラをぶつけるように携帯をソファーの上へと投げつけた。
「はぁ……。あれだけ言っといたのに……」
口から出るのは重い溜め息ばかり。
頭を抱えながら、携帯を投げつけた二人掛けソファーに腰掛ける。
「陽、まだ怒ってんのかよ?」
「……さぁな」
彼方には曖昧にそう返事をしたが、心の中では怒ってるだろうなと即答していた。
──“あの日”。
凛音が再び去って行った“あの日”から、早くも一週間近く経っていた。
時間が経つのは早くて。
陽と凛音が居ないだけであっという間に時間が過ぎていく。
今傍に居ないのが不思議で。
そして、何か物足りない。
部屋が静か過ぎて落ち着かなくて。
……寂しい。
“あの日”から、陽は此処に来ていない。
電話をしても出ない。
今日、幹部内の話し合いをするからとメールで送っておいたけど、それにも返事がない。
きっと、まだ怒っているのだろう。
“あの日”、俺達が凛音を引き止めなかった事を。


