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「ねぇ、貴兄。これからどっか行くの?」


朝御飯を食べ終わり、ソファーで寛いでいるあたし達。


チャンネルを色々変えていると、ふと朝、優音が言った事を思い出して聞いてみた。



「あ~……」


「……なに?」


あたしの問いかけに何故か前屈みになったり首を傾げたり、意味不明な行動をし始めた貴兄。


しかも、「あ~」だの「ん~」だのよく分からない呻き声上げてるし。


意味分かんないんですけど。


あたし、そんな難しい質問したっけ?



「貴兄、どうせ言わなきゃなんねぇんだからさっさと言ったら?」


「……んー、そうだよな……。ホントは行かせたくねぇんだけど……」



観念したようにそう言った貴兄は、小さく溜め息を吐いた後、控えめに口を開いた。



「凛音に頼みがあるんだ」


「頼み?」



急に真顔になった貴兄に首を傾げる。



「一緒に行って欲しい所がある」


「一緒に行って欲しい所?」


「あぁ」


「どこ?」


「………」


「貴兄、はっきり言えって」


「……そうだな」



何?二人でアイコンタクトしないでよ。気になるじゃん。



「遊大(ユウダイ)が帰って来たんだ」


「……え?」



遊大?


「えっ!遊大が帰って来たの!?」


コップをテーブルの上に置いて、直ぐ様貴兄に詰め寄る。



「ははっ。思った通りの反応だな」


深くソファーへと背中を沈めた貴兄が、落ち着けとでも言うように両手を突き出してきた。