不思議に思い首を傾げると、妃奈が貴兄にペコリと頭を下げてこっちに駆け寄ってきた。
「凛音ちゃん、あたしも手伝うよ!」
「ありがと~!」
隣に来た妃奈は素早く腕捲りをし、玉葱を一個手に取って器用に皮を剥き始める。
……なるほど。
きっと貴兄は妃奈に『凛音と一緒にバーベキューの用意して貰ってもいい?』とでも言ったんだろう。
うん。絶対そうだ。
だって、貴兄の顔がそう言ってるもん。
リビングに目を向けると、いつの間にかソファーに腰掛けていた貴兄と慧くんが穏やかな表情でこっちを見ていて。
「……ありがと」
全て貴兄の優しさなんだと気付く。
貴兄はあたしに何をしたら喜ぶか、全て熟知してるんだ。
ホントよく出来たお兄ちゃんだよね。
「凛音ちゃんのお兄ちゃん、優しいね。ううん、みんな優しい。凛音ちゃんの言ってた通りだね」
同じようにリビングに目を向けた妃奈が動き回る皆を見てふふっと笑みを零し、目を細める。
その表情が何だか嬉しくて。
「でしょ?あたしの自慢のお兄ちゃん達だよ!」
ついつい皆には言わないような事を言ってしまった。
まぁ、ムカつく時もあるけどね。
という言葉も忘れない。
ペロッと舌を出してしてやったり顔で笑うあたしを見てプッと吹き出す妃奈。
きっと妃奈にはあたしの本心なんてバレバレなんだろうな。
いくら憎まれ口を叩いてても結局は皆の事が大好きで。
あたしにとってかけがえのない大事な存在なんだ。
大切な大切なお兄ちゃん達。
まぁ、恥ずかしいから口に出しては言わないけどね。


