「遊大ウルサイ!妃奈がビックリしてるでしょ!」


「おー!おっかえり~!まぁまぁ、そんなに怒んなよ!って、ん?その子が妃奈ちゃん?はじめまして~俺、遊大。よろしく~!」



今流行りのテレビゲームをしながら、チラリとあたし達に視線を向ける遊大。


目が合った遊大は妃奈に軽く手を上げ、ニカッと笑い掛けてきた。


「は、はじめまして!」


ゲームをしながら挨拶をする馬鹿遊大に妃奈が丁寧に挨拶する。


なのに、妃奈がペコリと頭を下げた時にはもう遊大はゲームに夢中になっていて妃奈を見ていなかった。


……コイツ、後ろから回し蹴り食らわしてやろうか。



「妃奈、このゲームやった事ある?一緒にしようぜ」

「い、いいの?」


およ?およよよよよ?


なんだなんだなんだ。

優音はもう妃奈を呼び捨てにしているのか?


チョイチョイと妃奈を手招きで呼ぶ優音に照れ臭そうに笑って近寄っていく妃奈。


妃奈の頬がほんのりピンクに見えるのはきっとあたしの気のせいじゃない筈。


またもやピンクな妄想が広がっていくあたしの頭。


遊大並みに脳内のお花畑を満開にさせ、ルンルン気分でキッチンへと向かう。