Ri.Night Ⅲ



「陽……」


壱さんの隣にいる陽へ目を向けると、陽は溢れんばかりに涙を溜め、唇を一文字に結んであたしを見ていた。


必死に涙を堪えようとしている陽の表情に、心臓が鷲掴みされたかの様に痛む。



……っ、陽……。



汗ばむ手でギュッと服を握りしめ、震える唇を無理矢理開く。



「陽……。陽は、あたしの癒しだった。あたしの一番の友達だった。……っ、今まで、エスコートしてくれてありがとう……っ」


「………っ」



震える唇から必死に吐き出す最後の言葉。


その言葉に、陽の表情がみるみる内に歪んでいく。


何かを堪える様に唇を強く噛みしめた陽は、身体を微かに震わせて項垂れる様にゆっくりと顔を伏せた。



……陽、ごめんね……。


小刻みに震えている陽を見つめ、心の中で謝罪の言葉を口にする。


そして、一度瞼を閉じて視線を横へと流した。




「……煌」


あたしを見る煌の表情は哀しいと言うより難しい表情をしていて。

睨む様にあたしを見据えている。



「……煌、あたしを仲間に誘ってくれてありがとう。煌が誘ってくれたから皆と一緒に過ごせた。喧嘩ばっかりだったけど、煌と喧嘩するの楽しかったよ」


「………」


そう告げた時、今まで難しい顔をしていた煌の表情が一気に哀しみへと変わった。