「陽……」
壱さんの隣にいる陽へ目を向けると、陽は溢れんばかりに涙を溜め、唇を一文字に結んであたしを見ていた。
必死に涙を堪えようとしている陽の表情に、心臓が鷲掴みされたかの様に痛む。
……っ、陽……。
汗ばむ手でギュッと服を握りしめ、震える唇を無理矢理開く。
「陽……。陽は、あたしの癒しだった。あたしの一番の友達だった。……っ、今まで、エスコートしてくれてありがとう……っ」
「………っ」
震える唇から必死に吐き出す最後の言葉。
その言葉に、陽の表情がみるみる内に歪んでいく。
何かを堪える様に唇を強く噛みしめた陽は、身体を微かに震わせて項垂れる様にゆっくりと顔を伏せた。
……陽、ごめんね……。
小刻みに震えている陽を見つめ、心の中で謝罪の言葉を口にする。
そして、一度瞼を閉じて視線を横へと流した。
「……煌」
あたしを見る煌の表情は哀しいと言うより難しい表情をしていて。
睨む様にあたしを見据えている。
「……煌、あたしを仲間に誘ってくれてありがとう。煌が誘ってくれたから皆と一緒に過ごせた。喧嘩ばっかりだったけど、煌と喧嘩するの楽しかったよ」
「………」
そう告げた時、今まで難しい顔をしていた煌の表情が一気に哀しみへと変わった。


