Ri.Night Ⅲ


それはまるで俺に任せておけと言われているようで……。



「俺はお前等に凛音を渡すつもりはない。だから、凛音の元へ何回来ても無駄だ。鳳皇へは絶対行かせない」



貴兄の鋭い眼光と、地を這うような重低音の声が十夜達に向けて放たれる。



「貴──っ、」


発しようとした言葉は何も言うなとでも言うように貴兄の手に遮られ、出しかけた言葉がグッと喉奥で留まった。




「だから、言ったのか?何回来ても無駄だって?……行くつもりはないって?」


「……っ」


「……凛音、本当にそれだけか?」


「………」


「お前は………お前はそれでいいのかよ……」



いつもの煌らしくない声色に心臓がドクドクと波打ち、その音が脳天に響いた。



……だって、どうする事も出来ないじゃない。


それで良いのかと言われても、皆はあたしを許せないでしょう?


それとも、あたしと貴兄が兄妹だと知ってても傍に居させてくれるの?


十夜を傷付けた獅鷹の妹を?

あんなに憎んでいた獅鷹の妹を?




あたしには無理だよ。


貴兄と優音を哀しませてまで無理矢理鳳皇へ行く事も、皆の傍で平然と居る事も、あたしには耐えられない。




それに、さっきの問い掛けはあたしを許してくれた訳じゃない。獅鷹を許してくれた訳じゃない。


きっと煌は色んな事を一気に言われて、頭の中が整理出来ていないんだと思う。