そんなあたしに、フゥと溜め息を吐き出した煌がゆっくりと口を開いた。
「いつから、知ってた?」
さっきまで見せていた驚愕の表情はいつの間にか消え、今、皆の表情に残っているのは真剣な眼差しだけ。
その眼差しにグッと唇を噛み締め、真剣に答える。
「……あたしが知ったのは、十夜と壱さんが水皇に行った日。煌に車で送って貰った時だよ」
「……っ、あの時?だから急に腹が痛ぇって言い出したのか!?」
あの日の事を思い出したのか、眉間のシワをより一層深く刻んだ煌。
「……うん。嘘ついてごめんね。あの時、初めて獅鷹と鳳皇が敵対している事を知った。とてもじゃないけど冷静ではいられなかった。だから、咄嗟に嘘をついたの」
「………」
「敵対していると知った“あの日”から、あたしはずっとその事について悩んでた。鳳皇を抜けなきゃいけないのかって、ずっと考えてた。
そんな時、追い討ちをかける様に“あるモノ”を目撃したの。それがキッカケであたしは鳳皇から離れる事を決めた」
「それって……」
あたしの言う“あるモノ”が何だか分かったのか、彼方が口元に手を添えて小さく呟く。
「そう。雷さんのお店に行った帰り、繁華街で貴兄に会った時の事。ううん、見かけた時の事。
“あの時”の皆を見てあたしは鳳皇から離れるべきなんだと思った。
一緒に居ちゃいけないと………っ、」
「凛音……」
“あの時”の想いが言葉を詰まらせる。
まるで“あの場所”にいるかの様な感覚に、段々と意識が虚ろになってきて。
言葉を詰まらせたあたしの肩に優音の手がそっと優しく乗った。


