Ri.Night Ⅲ



そんなあたしに、フゥと溜め息を吐き出した煌がゆっくりと口を開いた。



「いつから、知ってた?」



さっきまで見せていた驚愕の表情はいつの間にか消え、今、皆の表情に残っているのは真剣な眼差しだけ。


その眼差しにグッと唇を噛み締め、真剣に答える。



「……あたしが知ったのは、十夜と壱さんが水皇に行った日。煌に車で送って貰った時だよ」


「……っ、あの時?だから急に腹が痛ぇって言い出したのか!?」



あの日の事を思い出したのか、眉間のシワをより一層深く刻んだ煌。




「……うん。嘘ついてごめんね。あの時、初めて獅鷹と鳳皇が敵対している事を知った。とてもじゃないけど冷静ではいられなかった。だから、咄嗟に嘘をついたの」


「………」


「敵対していると知った“あの日”から、あたしはずっとその事について悩んでた。鳳皇を抜けなきゃいけないのかって、ずっと考えてた。

そんな時、追い討ちをかける様に“あるモノ”を目撃したの。それがキッカケであたしは鳳皇から離れる事を決めた」


「それって……」


あたしの言う“あるモノ”が何だか分かったのか、彼方が口元に手を添えて小さく呟く。



「そう。雷さんのお店に行った帰り、繁華街で貴兄に会った時の事。ううん、見かけた時の事。

“あの時”の皆を見てあたしは鳳皇から離れるべきなんだと思った。


一緒に居ちゃいけないと………っ、」



「凛音……」




“あの時”の想いが言葉を詰まらせる。


まるで“あの場所”にいるかの様な感覚に、段々と意識が虚ろになってきて。

言葉を詰まらせたあたしの肩に優音の手がそっと優しく乗った。