「優……」
優音は十夜達に見向きもせず、アスファルトに鈍い足音を響かせながら哀しい瞳でこちらに向かって歩いてくる。
優音もあたしの事を馬鹿だと思ってるんだろうな。
あたしの為を思って隠れていた優音を自分から呼び寄せたんだ。そう思われても仕方ない。
「馬鹿だろ」
ほら、ね。
「優……ありがとう」
言葉では馬鹿だろと罵ってるけど、あたしに向けるその瞳には貴兄以上に哀しみが溢れていた。
そんな優音に貴兄の時と同様、頬を少しだけ緩ませ、フッと小さく微笑む。
そんなあたしを見て、更に眉を寄せる優音。
その表情にキリッと胸が痛んだ。
そんな顔、させたくないのに……。
全部あたしのせいだよね。
これ以上繰り返さない為にも伝えなきゃいけない。
「優も見守ってて」
そう言うと、再び十夜達の方へ振り向いた。
目が合った皆は、あたしと優音を信じられないと言った表情で交互に見ていて、そんな皆に追い討ちをかける様に言い放つ。
「これが、“証拠”。優はあたしの双子の弟なの」
「……ふた、ご?」
「そう。そして、“あの時”貴兄と一緒に居た人」
「……っ、“あの時”一緒に居た?」
震える声でそう呟いた陽にコクリ、頷く。
「これが、“あの時”貴兄が言っていた『深い絆』の本当の意味」
「血と言う名の……絆」
確認する様にそう吐き捨てた煌に頷いて皆に向かって頭を下げる。
「……ごめんなさい。獅鷹と関わりがある事、黙っててごめんなさい」
「………」
「中田の件が終わったら、どうせ離れるからと思って言わなかったの。
獅鷹と鳳皇が敵対している事を知っていたら最初から鳳皇と関わってなかった。
ううん、貴兄が暴走族に入ってるという時点で他のチームと関わっちゃいけなかった」
頭の中で伝えなきゃいけない事を整理しながら、震える声で少しずつ謝罪の言葉を並べる。


