Ri.Night Ⅲ



早く真実を告げていれば皆傷付かずに済んだのに。


“あの時”あたしが十夜の言葉に折れなければ、あたしも十夜達も傷が浅くて済んだんだ。


今さら後悔したってどうにもならないのは分かってる。


でも、後悔せずにはいられない。




真実を告げて嫌われるのは仕方ないこと。


貴兄と優音、二人と兄弟なのは曲げられない事実。どうする事も出来ない。


これ以上おいかけっこを続ければ、傷を深くするだけ。


だから、皆の為にも自分の為にも真実を告げる。


もう後悔はしたくない。







「十夜……」


近付いてくる十夜を真っ直ぐ見つめ、頭を左右に振る。


すると、あたしを見ていた漆黒の瞳が微かに揺らぎ、その場に立ち止まった。



……十夜、ごめんなさい。


あたしはそっちに行けない。



「行けないの」


そう呟くと、聞こえていない筈なのに十夜の眉が寄った気がした。


もしかしたら、あたしの決意を感じ取ったのかもしれない。



そっと目を閉じて、身体の向きを変える。


そして、再び目を開けてその場から駆け出した。


向かうのは、二人の元。




「凛音!!」



十夜が行くなとでも言う様にあたしを呼び止めたけど、止まらなかった。振り返りもしなかった。




……十夜、ごめん。


皆、ごめんね。



これから伝える真実(こと)でまた嫌な思いをさせてしまうかもしれない。


でも、あたしはもう、これ以上皆が争う所を見たくないの。




「……っ、煌!止めて!!」





だから、告げる。







「止めて!!止めて貴兄……!!」






───真実を。