「凛音、言えよ。お前とそいつの関係は何だ」
十夜のその問い掛けに視界がグラリと揺らぐ。
“お前とそいつの関係は何だよ”
それは、今、一番答えたくないと思っていた質問。
「……ぁ……」
身体が震え、力が抜ける。
貴兄と繋いでいる手の感覚さえもう無い。
答えなきゃ。
そう思っているのに、頭の中がゴチャゴチャしていて、何をどう答えたらいいのか分からなかった。
たった一言、
『あたし達は兄妹なの』
そう言えばいいだけなのに、その言葉が口から出てこない。
「リン。俺等の関係をお前等に言う必要はない」
夜達に背を向けたままそう言い放った貴兄は、繋いでいた手をギュッと握り締めてくれた。
その仕種に、手の感覚が少しずつ戻ってくる。
「……なら凛音は渡せねぇな。大方お前が凛音を無理矢理傍に置いてるんだろ?」
違っ……!!
フッと冷笑を浮かべ、貴兄にそう吐き捨てた煌に貴兄がゆっくりと振り返る。
「……渡さない?それはこっちの台詞だ。それに、獅鷹(こっち)に来たのはコイツの意思。お前等にとやかく言われる筋合いはない」
「ハッ。俺等は凛音から何も聞いてねぇんだよ。だから今から直接聞く。大人しく凛音を渡せや」
煌はそう言うと、足早にこっちへと近付いてきた。
それを見た貴兄がチッと舌打ちする。
「それ以上近づくな。じゃないと──」
「じゃないと、何だよ?」
足早で迫って来た煌が目前で助走をつけるかの様に小走りになり、右腕を構えた。
「……チッ。凛音、向こうに行ってろ!」
それを見た貴兄が繋いでいた手を素早く離し、あたしの肩を押す。
「………っ!」
いきなり押されたあたしはバランスを崩し、ヨロけた。


