ちらっと視線を神野くんと雷斗くんに向けると、2人とも心配してくれたみたいなので大丈夫と意を込めて名刺をひらひらさせてみました。

 と、法廷内にお父さんと弁護士の人、それに検察官が入ってきました。

 一気に静まり返る法廷。

 結局、面会に行ったのはあの日だけで、それ以来私は全然お父さんに会っていませんでした。
 でも、お父さんは少しだけ私の方に視線を向けてくれて、少しびっくりしたようでしたが、笑ってくれました。

 また、痩せてる。でも、お父さんは怯むこともせずに向き合っていました。

 裁判官と裁判員裁判で選ばれた方々が入ってくる。

 すると、法廷の中の空気が引き締まりました。