「雷斗?」

「え…すみません。親ですよね。ひと言でいえば自分の欲を満たすためなら何の犠牲も厭わない人です」

「え、なにそれ…。雷斗が家に帰りたがらない理由、それ?」

「まぁ、そうですね。高校出たら働いて親とは絶交するつもりです」

「…相談くらいのってあげるから。あんたバカそうに見えて苦労してんのね」

「あはは…。ありがとうございます」

 輝星さんも朔夜さんも優しい。
 朔夜さんは俺が嵐鬼に入った直後からずっと気にかけてくれて、俺が幹部に入れたのも、朔夜さんの計らいがあったからだ。俺は目を離したら1人で潰れてそうだからって。

 そんな優しい人たちだから、よもちゃんも安心して甘えられてたんだなって。

 今は、恥ずかしがる方が多いみたいだけど。