「『ロンラバ』はうちの雑誌を支える看板作品ですので、本編の最終回と来期アニメ化を大々的に打ち出して、既刊・新刊・CD・DVDと、すべてのコンテンツを盛り上げていく所存です。そのため、事前のプロモーションもアニメ雑誌のみならず、本誌『パラレル』でも行いたいと考えています」

「それは素晴らしいですね」

小早川さんから出された企画資料を受け取りながら、篠田さんが応える。

「そこで桐原さんには『パラレル』誌面での御厨先生との対談をお願いしたいんです」

「承知しました。スケジュール的には…資料を拝見すると、今月…ですか」


すると、小早川さんの表情が一気に曇る。


「それが…スケジュールには嵯峨さんの都合で、いくらか修正がありまして…」

「嵯峨さん側から条件を出されてるんですよ!」

「先生!」


ふくれっ面の御厨さんを止めに入った小早川さんだったが、静止を振り切って御厨さんが続ける。


「嵯峨さんが、キャスト発表の前に桐原さんと読み合わせしたいって」


(…嵯峨さんが…俺と――?)