どういう顔をしていいのかわからなくて、でもこれ以上重い空気になりたくないと思った私は、笑顔を作る。 「…っ」 頑なに振り返ろうとしなかった和君が、振り返った。 「えへへ…どこに行っても、一人だからいいの」 ーーあ、ダメだ。 泣くっ…。 咄嗟にそう思い、今度は私が和君に背を向ける。 「じゃあ、ね…また明日!」 これ以上ここにいたらみっともなく泣いてしまうと思った私は、急いで家に入った。