天神学園中等部に入学してから少し。

 早朝に起きだして、リィと一緒に基礎トレーニングやって、橘邸の庭の外周およそ10キロを全速力で走って、無手での組手をして、ご飯を食べて、学校行って、家に帰ったら武器を構えながら走って、組手をして、ご飯食べて、宿題やって、父さんたちに手紙書いて、風呂に入って、寝る。

 ミルトゥワから地球へ留学してきて約半年。俺たちの一日のスケジュールは、大体こんな感じに固定されてきた。

 天神学園で出会った友人たちを見ていると、まだまだこんな修行方法では駄目なような気がするけれど、父さんには基本が大事って言われているし、今は反復練習をしているところ。

 取り敢えず今の目標は、この間対戦した高等部の双子と、にゃんにゃん先生んとこの兄妹に勝つことだ。

 入学式の日、ローズマリー陛下に言われた通り、強いヤツに勝負をふっかけてみたんだ。

 ちょっとは自信があった。俺より強いのなんて、師匠たちくらいしかいないと思ってた。でも、勝てなかった。自分の鼻をへし折られた気分だ。

 天神学園で最強と言われる剣豪、高等部一年の夕城瑠璃(ゆうしろるり)と夕城めのう。それから、中学二年にいる弟、夕城孔雀(ゆうしろくじゃく)の三兄弟。父さんが勝てなかった“侍”、閻魔先生と女神先生の子どもたちだけあって、まったく隙がなかった。

 そして、父さんの母さん、つまり俺のばあちゃんにそっくりだという、にゃんにゃん先生のところのガンマン、中等部二年の早川霸龍闘(はやかわはると)に、妹で俺のクラスメイトでもある拳法家、早川鬼龍(はやかわかいらん)。