タイマントーナメントもいよいよ目前に差し迫ってきたというある日の休日。グリフィノー兄妹と橘姉弟は天神モールに買い物に来ていた。

 最近シンとリィは修行に修行を重ねていた。

 父フェイレイも出場したというタイマントーナメントに、並々ならぬ想いを秘めている双子は、見るからにオーバーワークだった。それを見かねたシルヴィ、琴音、玲音が、拓斗からお願いされたこともあり、2人を無理やり街へと連れ出したのだ。

 最初は修行の時間が短くなると渋っていた2人も、シルヴィたちの心遣いに気づいてからは彼らに感謝をし、そして気分を変えて楽しむことにした。

 現在はリィと琴音、シンと玲音とシルヴィに別れて、別の店を回っているところだ。


「うふふ、女の子同士でないと買えない物もありますものね」

 そう言う琴音は、ふわふわな可愛らしい三角を手にしながら微笑む。

 そう。

 何故このような組み合わせで別れたのかと言えば、思春期な男子諸君が見れば眩しくも神々しく見える(かもしれない)、女の子の秘密のアレのお買い物をしようと琴音に誘われたからだ。だから、シンと玲音にシルヴィを預けて、二人だけでお買い物中なのである。

 リィもそろそろシンを引き連れてこういう店に入るのは遠慮したいお年頃になってきたため、一緒に買い物が出来る友人たちがいるのは嬉しいことだった。

「どのようなものがよろしいでしょうか。最近、私も必要になってきましたので、リィファさんに見立てていただきたいのですが……お母様はお忙しいし、要に来ていただくのも……ねぇ?」

 琴音は最近成長期に入ったのか、身長はもうリィを抜かしそうだった。両親がそろってスラリとしているため、近々リィは琴音に抜かされるだろう。

 そして。