わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜





「うん、そう。
前回拾ったからって、芽衣さんから預かったの」


「…………っ」


「えっ!何っ!?」




急にガッと腕を掴まれて、袋を取り落としそうになる。



宙に浮いた右手の代わりに自然に左手に力が入ったから、すんのところで支えられたけど。


こんなメトロノームなんかが入っているくらい重いものを落としてしまったら、どんな音がなるかわかったものじゃない。



そんな私の内心の焦りなんて気にもせず、黒田くんはどこか深刻な顔で黙りこくっている。




「…………」


「…黒田くん?」




思わず声をかけると、ハッとしたように黒田くんの表情が戻った。


そして、すぐに手を離してくれる。



「あ………いや、なんでもない。ごめん。
とりあえず、これは俺が預かっておくから」


「あ、うん……」



なんだったんだろう…今の。



わからないまま、「じゃあ」とだけ言ってくるりと背中を向けた黒田くんを黙って見送る。



本当に…不思議な人だ。



ナイフだけを持っていった黒田くんの姿は、廊下を曲がる前に暗さでかき消されて見えなくなった。



また、1人静かな空間に放り出される。