「…悪いけど。それは、言えない」
「どうして?」
「どうしても。
でも、復讐ってのは別に間違いじゃない。
キミがそう思うのなら、そう思ってもらって構わない」
「私は違うと思う!!!」
反射的に叫んでしまってから、ハッとする。
〈あの子〉に聞こえるっていうのもそうだけど。
軽く目を見開いた黒田くんの表情が…少しだけ、柔らかくなったような気がしたから。
「…それも自由だ。好きに思っていて。
その時が来たら、全部話すよ」
「その時って…」
「探し物。少しくらいは集まった?」
「あ…っそう、それ!
それ、ちょっと抽象的すぎてよくわからないから、もうちょっと詳しく教えて欲しいんだけど!」
そうだよ。
せっかく頼みごとをしてきた本人がいるんだから、聞かない手はない。
思い出したら、たくさんのものが入っている袋が一気にその重みを主張し始めて、左腕にズシリときた。
「あれ?サンプル、ちゃんと持ってるよね」
「いやいや、サンプルってなんか…グロい感じのメトロノームでしょ?
あれと腕時計って、全然繋がりが見えないよ」
「んー……。他には何か拾った?」
「他?……あ、芽衣さんが持ってたシャーペンとか、机に入ってたポスターとか…あと、正秀くんの手帳、とか」
ポケットから血の染みた手帳を取り出す。
正秀くんからは…何も聞けなかったけど。
正秀くんもいじめに関わっていたんだよね?
一緒にやっていたのか、やらされていたのか、見ないふりをしていたのか。
正秀くんの口からも何か聞けていたなら、もっと本当のことがわかったのかな。



