わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜




「………こんばんは」


「おいおい…ここでそれはないだろ?」



そんなことを考えたから、後ろに感じた人の気配にそう挨拶してみたけど。


振り向いた先にいる黒田くんは、少しおかしそうに息を吐き出しながら肩をすくめただけだった。



「だって暗くて静かだから」


「たしかに普通の挨拶だけどさ。
ここですると、一周回って異常だよ」


「そうかな」


「そうだよ」


「そっかぁ…」



もう、この状況自体が異常だからなぁ。


この際私が異常だろうがなんだろうがどうでも良い気がするよ。



少し間を置いて、黒田くんが口を開く。



「どうした?何かあったのか?」


「……雪ちゃんのこと、聞いた」


「…………そうか」


「陽くんたちは。黒田くんが、雪ちゃんのことで復讐に来たんだって、そうに決まってるって言ってた。
それは本当?黒田くんは本当にみんなに復讐しに来たの?」


「………………」



黒田くんは答えない。


暗闇の中に浮かぶ黒田くんの顔は無表情のようで、悲しそうでもあって、そして…なんでだろう。笑っているようにも見えた。



すぐに答えないってことは、そうじゃないってことじゃないの?


だってただの復讐なら。そうだって言ってしまえばいい。


だから少なくとも、復讐のためだけではないんだと———私は信じたかった。