…おかしいなぁ。
前から友達だったのは、結菜ちゃんたちの方なのにね。
今はもう、芽衣さんたちしか信じられなくなっちゃったよ。
変なの…。
大切な友達だと、思ってたのになぁ……。
早足で当てもなく歩き始めたけど、そんなことを思っていたらいつの間にかだんだん歩みが遅くなっていって。
静かな廊下のど真ん中で、ついに立ち止まってしまった。
足が重い。
…静かだ。
今〈あの子〉が来たらどうしよう?
危機感はあるのに、動ける気がしないや。
何も聞こえないのをいいことに、その場に立ち尽くす。
…危険な場所、なんだよね。
尋常じゃないくらい真っ暗だし。
あんな幽霊は彷徨いてるし。
信じられない人ばっかりだし。
…静かだなぁ。
まるで何もなかったみたい。
本当は何も起こってなんてなくて。
今までのは全部夢で、ここはただの夜の学校で、私しかいなくって。
変な幽霊も、おかしな陽くんたちも、不思議な黒田くんも、優しい悠人さんたちも。
みんなみんな、なかったことになっちゃえば良いのにな。



