…ふと、2階で亡くなっていた正秀くんを思い出した。
私が正秀くんの死を口にした時、結菜ちゃんは取り乱していたけど。
愛菜ちゃんは…冷静すぎて、なんだか怖かったよね。
……………。
…まさか……ね。
頭の中に浮かんだ仮説にゾッとして、慌てて2人に向き直る。
ダメだ。
やっぱり、2人とは一緒にいられない。
陽くんも愛菜ちゃんも…結菜ちゃんも、安心できないよ。
「ごめん。私、2人とは一緒に行けない」
「っ!!!」
「えっ?どうして?舞ちゃん」
結菜ちゃんが、私が愛菜ちゃんにさっきまでの会話を告げ口するとでも思ったのか、表情を強張らせた。
愛菜ちゃんの視線は、優しい口調とは裏腹に『行くな』と脅迫しているかのように迫力があった。
…言い訳なんて思い付かないし、する必要もない。
だって2人とも。
本当はなんで私が2人から離れようとしてるのか、わかってるんでしょ?
「ごめん」
だから、一言そう言うだけにしておいた。
…さっきまでの音量で〈あの子〉には十中八九気付かれているだろうから、あまりモタモタはしていられない。
そそくさと2人の横をすり抜け、技術室を出る。
「あ。…2人も、早くここを離れた方がいいよ。
多分、気付かれてると思うから」
振り向きざまにそれだけ言って、早足でその場を離れる。



