殺した、って………何?
だって。そんなの、身近にあるわけないじゃん。
ニュースで殺人とかって流れても、みんなどこか他人事で。そうじゃなきゃいけないはずで。
…なんで?
犯罪でしょ?それ。
なのに、なんで普通に学校に通ってたの?
なんで普通に笑ってたの?
私、わかんないよ。
今の言い方だと…。
まるで、愛菜ちゃんがそれの中心人物みたいじゃない。
「私…私、ほんとはやりたくなかった!
けど、愛菜がやれって言うから…」
「やれって言われたら人を殺すの…?」
「違う!愛菜は…愛菜はっ!悪魔なんだよっっ!
表ヅラだけは優しくて完璧で信頼が厚くて、誰も逆らえない!逆らったら殺されるの!」
「そんなの…っ、愛菜ちゃん1人で人を殺すなんて、できるわけ…」
「殺せるんだよ…っ!!!
愛菜が誰かを嫌いって言ったら、その人はもう生きていけないの!クラス全員に嫌われるの!
死んだほうがマシってくらい、辛い目に遭うんだよ!!」
ガン!!…なんて音がしそうなくらい、頭を思いっきり殴られたような気分だった。
結菜ちゃんの金切り声が、キンキンと耳に響く。
あーあ、これじゃあ。
トイレに行った愛菜ちゃんどころか、〈あの子〉にもきっと聞こえているんだろうな。
また逃げなきゃいけないのか。
どうにかしなきゃなぁ…。
そんな諦めとともに、私は全てを理解した。



