「えぇと…ごめんね。
私、ちょっとお手洗いに行きたくて…。
舞ちゃん、結菜のことお願いしてもいいかなぁ?」
おずおずと申し出た愛菜ちゃんを振り向く。
本当なら、みんなで行った方が安全だとは思うけど…。
でも、結菜ちゃんはまだ動けそうにないよね。
「私は、全然いいんだけど…。
愛菜ちゃん、一人で大丈夫?」
「うーん…。音を立てなければ、いいんだよね。
トイレくらい近くにありそうだし…多分大丈夫だよ!」
「あ、トイレならここを出て右にあるよ。すぐのとこ!」
「本当?なら、大丈夫だよ!行ってくるね」
「うん。気を付けてね」
そうだよね。
愛菜ちゃんたちはここの構造を知らないから、追いかけられたら行き止まりに行ってしまうことだってあり得る。
逃げる上では土地勘も、足の速い遅いと同じくらい大切だろう。
そういう意味では、足が速くて土地勘もある悠人さんが引きつけてくれるのが一番合理的なんだろうけど…。
でも、結局悠人さんだって危険なのに変わりはない。
悠人さんに頼ってばっかりじゃいられないし、なるべく自分でどうにか出来るようにならなきゃ。



