わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜





「とにかく、2人が無事でよかったよ…。
ずっとここにいたの?」


「うん…あの、名前は知らないんだけどね。
男の人が庇ってくれて…。
俺が引きつけるから、ジッとしてろって」



…悠人さんだ!


あの時、悠人さんの後ろにこの2人もいたんだ。



戻ってきてみて正解だった。



ほら、やっぱり悠人さんたちは悪い人じゃないよ。


悪い人だったら結菜ちゃんたちを庇ったりしないよね?



悠人さんに、2人の様子を見に行ってもらっててよかった…。



「その人は…えっと、さっき私たちの他に3人いるって言ったよね?その中の1人の、悠人さんだよ」


「そうなんだ…。見た目はその…少し怖かったけど、優しい人なんだね」



そう言ってふわっと笑った愛菜ちゃんに安堵する。



愛菜ちゃんは、陽くんみたいに疑ったりしてないみたいだ。


陽くんは、思い出すだけで腹が立ってくるから。


思い出しかけたさっきのやりとりを振り払って、結菜ちゃんに顔を向ける。




「結菜ちゃんは…大丈夫?少し落ち着いた?」


「う、うん……少し。
でも、ごめん、まだ立てそうにないかも…」


「そっか。大丈夫、ゆっくりでいいよ。
音を立てなければ襲われないはずだから」


「ありがとう……」



結菜ちゃんの側に落ちているトンカチを拾い上げて、教室の隅まで持っていく。


こんなの、持たない方がいいよ。



私が放ったトンカチは、工具がたくさん入ったダンボールの中にゴトンと音を立てて沈んでいった。