…わけがわからなくて、愛菜ちゃんに止められた結菜ちゃんと一緒に私までフリーズしてしまう。
目の前には、机の陰から顔を覗かせる愛菜ちゃん。
さっきまで私がいた場所には、床にトンカチを振り下ろした状態で振り向いて、はあはあと激しく息をする結菜ちゃんがいる。
…トンカチの下の床は、ここから見てもわかるくらいに凹んでいた。
「ごめんねっ…!舞ちゃん、大丈夫だった!?」
「あぁ…えっと、うん…大丈夫…」
「私たち、てっきり〈あの子〉だと思って…」
カラン…
愛菜ちゃんの言葉の途中で、結菜ちゃんの手からトンカチが滑り落ちた。
そのまま、結菜ちゃんはへなへなとその場に座り込む。
「はあ………はあ………」
「ゆ、結菜ちゃん?大丈夫?」
「舞……。…っ、ごめん!私、舞のこと殴りそうに…!」
「いいよいいよ、結局当たってないから…大丈夫!」
「ごめん……ごめん……!」
多分、〈あの子〉だと思って極度に緊張してたんだろう。
肩で息をしながらひたすら謝る結菜ちゃんを責める気にはなれなかった。
…もちろん、あれが当たってたらって思うとゾッとするけど…。
わざとじゃないしね。うん。
…やっぱり、トンカチとかを持っていくのはやめたほうがよさそうだなぁ。
こういう事故が起こったら怖いし…。



