色々な工具がある技術室は危ないから、普段はあんまり入らないけど。
今はそれより危ないものが彷徨いてるんだから、こんな工具くらい怖くない。
…〈あの子〉に会った時に、トンカチとかノコギリとか持ってたら少しは抵抗できるかな。
私の足じゃとても逃げきれる気がしないもん…気休め程度に持ってようかな…?
危ない思考に走りかけて、ハッと思いとどまる。
いやいや。前回黒田くんが投げたっていうメトロノームはあんなにぐちゃぐちゃに変形してたのに、〈あの子〉は今でも動いてるよね。
ってことは、ちょっと殴ったくらいじゃ全然効かないんじゃ…。
…やめておこう。
武器持ってるからって安心しちゃって、逆に墓穴を掘っちゃいそうだ。
なんて思いながら技術室の奥まで来た時。
バッと、視界の端で何かが飛びかかってくるのが見えた。
「〜〜〜っ!!」
「っ、えっ、何!?」
息が詰まったような声とともに私に向かって突進してきた人を、なんとかすんのところで避ける。
ガン!!!!と、後ろですごい音がした。
その音にまたびっくりして、大きく飛びのいて距離を取る。
「はあっ…はあっ……!!」
「え…結菜ちゃん…!?」
「っ!結菜、ストップ!」
「はあっ…えっ…?」



