悠人さんが引きつけてくれたから…多分、近くにはいないと思うけど。
そうだ、さっき技術室に〈あの子〉と悠人さんがいたのは見えたけど、奥までは見てなかったよね。
もしかして、あそこに結菜ちゃんたちもいたのかもしれない。
よし、まずは技術室を見に行こう。
結構時間経っちゃったから、もういないかもしれないけど…。
早足で技術室前まで行くと、また扉が閉まっているのが見えてドキッとする。
…さっき、この扉を開けたら〈あの子〉がいたんだよね…。
でも、もしかしたら。
〈あの子〉が出ていったのを見て、2人が閉めたのかもしれない。
微かな期待を胸に、扉をそーっとほんの少しだけ開ける。
手も入らないくらいの小さな隙間から覗く分には、誰もいないみたいだ。
特別教室のドアも、普通の教室のドアみたいに透明なガラス窓があれば良いのに。
この学校は何故か特別教室の窓は曇りガラスで、扉の前にいればぼんやり人影くらいはわかるものの、奥にいたら全く見えない仕様になっている。
〈あの子〉の目が見えないのなら姿を隠して隠れる必要はないし、扉も開けっ放しの方がいい気がする。
音さえ立てなければいいんだから…。
そんなことを考えながらスルッと中に入った私は、技術室を見渡す。
パッと見は誰もいないけど…しゃがんで奥の方に隠れていたら机とかに邪魔されて見えないからね。
一応、一周ぐるっと回ってみよう。



