「……………。
…うん。こんなことしてる場合じゃないよね。
とりあえず、それどうしようか?持っていく?」
「………そうね。
荷物にはなるけど…ヒントとして置かれていたのなら、何かあるのかもしれないし」
長い沈黙の後、芽衣さんは再びしっかりと前を向いて口を開いた。
それを受けて、朱里さんも今の雰囲気を引き摺らないしっかりとした口振りで話を再開する。
そして、私も。
私だけウジウジしてるわけにもいかないもんね。
さっきまでは3人のことを、年上で頼れる先輩って感じで見てたけど。
思ってみれば、歳だって1つしか変わらないじゃん。
頼ってばっかじゃダメだ。
私も何故か黒田くんと繋がりがある分、何か出来るはず!
「実は私、黒田くんに物探しをしてくれって言われてるんです」
「物探し?なにを探すの?」
「それは…よくわからなくって。あ、例えば、こういうものだって言われました」
ピンク色の腕時計を見せると、2人は疑問符が浮かんだような顔をする。
そりゃ、そうだよね。私もわかんないし。
「それ、私たちを連れてきた時にも持ってた時計よね。
黒田狛から渡されたものかしら?」
「はい。それで、その『サンプル』っていうのも多分探す物のサンプルなんじゃないかと思って」
「なるほど…。
探すものについて狛くんは他に何か言ってなかった?」
「うーん…直感でこれ!と思うもの?って言われましたね」
「はあ?ふざけてるのかしら」
「あはは…私も思いましたけどね…」
うん。たしかに思ったよ。
その時も。その前後でも。



