わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜





「あれ?」



芽衣さんと朱里さんの会話を聞きながら教室を見回していると、廊下側の机の中に何かが入っているのを見つけた。



なんだろう?


近寄って、取り出そうと椅子を引く。



「…あ…その席…」



ポツリと芽衣さんが呟くのが聞こえるのと同時に、私は取り出した紙を見た。



「…ポスター?」



『保健委員からのお願い』という見出しが書かれたそれは、どうやら学校に掲示するポスターらしい。


可愛らしい絵に丁寧な色塗りがされた、この不気味な空間には似合わないポスターだ。



「舞ちゃん!それ、ちょっと貸して!」


「えっ?はい、どうぞ?」



珍しく大きな声で駆け寄ってきた芽衣さんに驚きつつ、素直にポスターを渡す。


芽衣さんはそれを受け取って確認すると、くしゃりと顔を歪めた。



「望絵………」


「…芽衣」



………よく、わからなかったけど。


泣きそうな芽衣さんを見ると、言葉が出なかった。



何か、大切なものだったんだろうか。



ずっと、ここに来てからも冷静に振舞っていた芽衣さんと朱里さんだけど。


もしかしたらこの2人も…それから悠人さんも、私たちがさっき正秀くんを亡くしたように、誰かをここで亡くしているのかもしれない。



だって、何回も『前回』って言葉を聞いた。


『前回』の内容を私は知らないけれど…。



3人からは並大抵じゃない覚悟が見えたから。


私がさっき正秀くんの前でしたように、彼女たちも同じ決意をしたんだろうな…。