「えぇと…メモ用紙?『サンプル』って書いてありますけど…」
「うん。それがこの袋の上に置いてあってね。
袋の中に入ってたのがこれなの」
「…なんですか、その変な黒いもの…?」
「メトロノームよ」
「メトロノーム!?」
これが!?
芽衣さんが指差すものをマジマジと見るけど、なんだが赤黒いものがびっしりこびりついていたり変形していたりであまり原型を留めていない。
…できれば触りたくないな。気持ち悪くて。
これがサンプル…もしかして、さっき黒田くんに言われた『探してほしいもの』のサンプルってこと?
私が持ってる壊れていたはずのピンク色の時計に、グロテスクな見た目になっているメトロノーム。
壊れているところくらいしか、あんまり繋がりが見えない2つだけど…。
「…これ、多分なんだけど。
前回狛くんが私を助けてくれた時に投げたやつだと思う」
「黒田狛が?」
「うん…音楽室で〈あの子〉に襲われて。
もうダメ!って思った時に、狛くんがこれを〈あの子〉に投げて助けてくれたの」
「ふぅん…だからこんな気持ち悪い見た目になってるってわけね。それで、だから何のサンプルなのよ」
「さあ…」



