―篠ノ井 浅葱


そう書かれた本。
あれは、一体なんだったんだろうか。

こっそりと元の場所に戻したけど・・・。


あれは、浅葱の、本?
でも・・・。


あれは、生きている人の生きている間の物語なんじゃ・・・。
神さまにそんなものあるの?


あ・・・。
浅葱は、神様じゃない。



神さまじゃないとしたら、もしかして・・・。
元は、私と同じ人間だったとか・・・。




でも、そうならどうして常世に行かずにここで本屋をしているの?



わからない。
あれこれ考えてみたって、答えなんて出ない。



暁は、詮索するなって言っていた。
それは、どうして?


記憶のない浅葱。
もしかして、記憶がないから常世に行けないの?