詮索するな、か。
してはいけない理由でもあるんだろうか。

わからない世界。
私が踏み込むべきじゃないのかな。


でも、浅葱の事、もっと知りたいのに。



「はぁ、難しいな」



ため息を吐く。
そういえば。
今までの本は奥にしまわれてるんだったよね。


少し見に行ってみようかな。


私が携わった人たちの物語。
もう一度、見たい。



私は思い立つと店番をいったん引き揚げ本のある部屋に向かった。



こっそりと覗くと、そこには浅葱の姿も暁の姿もない。
普段私が店番している時はここで整理をしているみたいだけど、今日は違うんだ。


でも、丁度良かった。



今まで浅葱が送り出していった人たちの物語。
順番になっているみたいで、終わりの方に、私が知っている人たちの本は置いてあった。