当たり前のことだけど、あれから電話もラインも全然来なくて。


私はずっと蒼空のことしか頭にないのに、蒼空はもう私の事なんか忘れちゃったんじゃないかって…


そんな事ばかり思ってしまう。



だからそんなときはこうやって花に水をあげてると心が少し和む。


あ、この花咲いてきたな…とか、ここにはあの花植えたいなとか…


少しの間だけど、蒼空の事を思い出さなくてすむから。


蒼空と距離を置いた日から数日が経つけど、私は毎日のようにこの裏庭に来ていた。



キーンコーンカーンコーン…



夕方5時の鐘が鳴る。


そろそろ帰ろうかな…



重い腰を上げて、私はじょうろを返しに行った。


夕方になると気持ちが落ち込む。


辺りが暗くなるからかな…すごく寂しくなるんだよね。


教室では一切蒼空とは目が合わなくなった。


翠も渉君も気を遣ってくれてるのがわかる。


別れたわけじゃないのに…


これじゃあ本当に別れてるみたいじゃん…