ひとまず、『芹沢が話しを始めたら、知らなかったフリをシラを切る』という事で満場一致となり、解散となった。



 歩「う~ん。不測の事態に備えて、久々に作ってみるか」
 臨時会議が終わり、自室に戻った私はあるものを作る為、机の上に材料を広げて一人、頭を捻っていた。
 歩「幹部を動物に例えると・・・?」
近藤さんは虎、山南さんはフクロウ、土方さんは鷹、総司は牡鹿かな?なら一は狼、平助はイタチで、左之さんは烏、新八さんは猿かな?源さんは鳩、崎は鷺?
 歩「どっちみち、術の影響で白くなるけど」
 『東雲』の鞘に付属している小柄(ペーパーナイフ)で紙を切って形代を作りながら、独り言を言う。
 プチッ 歩「イテテ・・・」
出来上がったそれに髪を一本ずつ抜いて仕込み、パンッと強く両手を打ち合わせ、呪を唱える。
 歩「我の名に於て命ず。我の一部を与えられし者達よ、世の理を捨て形と意思を持て・・・“束”!」
 すると、川の水が流れるような音と一緒に形代が白く光り出した。・・・と思ったら今度は、勝手にクルクル回りながら机から浮き上がり、床の畳の上に着地。最後にポンッとマヌケな音を立てて、私がイメージした動物の姿になった。同時に身体を襲う、疲労感。
 歩「成功~・・・。やっぱり、体力をごっそり持っていかれたわ・・・」
 龍の子と言えど、万能という訳ではない。この式神作りのように、体力をごっそり奪われる術もある。残った体力と気力で式神の方を向き、命じた。
 歩「行け!お前達の主人の元へ・・・!」
 式『御意!』
了承した式神達がそれぞれの主人の元へ行ったのを見届けた後、そのまま机に突っ伏して眠りこけた。