歩「でしたら一緒にやりません?“早起きは三文の徳”って言いますし」
いかんせん、1人だと閑古鳥が鳴きそうだ。
 沖「分かった。胴着に着替えて来るから、ちょっと待ってて」
 歩「はーい」
 約10分後。胴着に着替えた沖田さんが戻ってきた。
 歩「では、私の動きを真似して動いて下さい」
 沖「分かった」
 歩「まずは足を肩幅に開いて、元気よく背伸びの運動から!はい!」
お馴染みのあの決まり文句で、体操スタート。そこから順に、体操をこなしていく。
 歩「最後に深呼吸!」
朝の新鮮な空気を思い切り吸って、ラジオ体操終了。
 歩「・・・と、まぁこんな感じです。どうですか?」
 沖「コレ、面白いね!これから素振りでしょ?僕も一緒にやっていい?」
 歩「いいですよ」


 数分後。
 ブンッ!
 ビュンッ!
 二人で黙々と木刀を使って素振り中。壬生浪士組の木刀は、実際の真剣と同じ重さで作られているそうで、竹刀と違って振りごたえがある。
 沖「歩ちゃん、すごいね!真剣と同じ重さで作った木刀で素振りするの初めてなのに、体幹が全然、ブレてない」
 歩「そりゃ、体幹は鍛えに鍛えていましたから!」
空気を切る度に、弱い風が巻き起こる。ごく普通の一般人や何も知らない人が見たら、さぞや驚くだろう。2人の凄腕剣士が黙々と素振りしてるんだから。