集中できない理由は明らかだ。


あの人が、ね。


瀬戸内とそんなつながりがあるとは知らなかった。


世間は狭い。


一緒に居たことで、最悪に誤解されている気がしないでもない。


別に誤解されたとしても構わないはず。


そう自分に言い聞かせるが、うまく胸の内の整理が付かない。


だったら圧縮して片付けるしかない。


始めなかった関係に、後悔したってしょうがない。


自分で誰とも進めないと決めていたんだから。


後悔?


その感情を再認識して、自分で驚く。


思わず苦笑いが浮かんだ。


洒落になんねーな。


宗雅は自分を皮肉ると、エクセルファイルを開いた。