始まりは中学の入学式。桜の花が満開で、その桜の木の下で彼女は女友達と写真を撮っていた。
桜の花びらが風に舞い、小さい背を精一杯伸ばし、細い腕でそれを追い、掴もうしていた彼女。
その様子が一枚の写真から抜け出てきたように綺麗で。
桜の花びらが季節はずれの雪のように見えて、逆光で浮かび上がる彼女のシルエットから目が離せなかった。
見たことの無い顔。
これが俗に言う一目惚れってやつか?
『功?何を見てる?』
背後から大和に声をかけられて我に返る。
『えっ?俺?あーっ、桜っ、桜満開やなと思って…』
振り返り大和に作り笑いをする。
あーっ、俺ってボキャブラリー無さすぎ…っていうか、おい、今俺の顔を見るなよ。
『桜?功が?ガラでもないw ホントに桜かぁ?』
俺の肩越しに桜の方を見て、にやっと笑い俺の顔を覗き込む大和。
『まぁまぁ、ほら、そんなことよりクラス分け、見に行こ!』
有無を言わさず大和の背中を押し、何とかその場を離れる。
『そうだな。行こか、また功と同じだったら良いなぁ~』
ヤバい。変に思われなかったかな。
コイツにだけは色んな意味で知られたくない。

