音楽室に戻ると、みんながあたしを一斉に見た。

その視線になにか恐怖を覚える。


なんだか怖いよ。


梨花がいなくなるなんて。

そして、その存在さえもみんなのなかでは『いない人』になっている……。

パラレルワールドにまぎれこんだ……そんな気分。



結局その日、梨花のことを口にする人は誰も現れなかった。