「木村昊太郎!最近よく一緒にいる、ってウワサされてるよ?」

「あぁ…。」

木村…昊太郎って言うのかーーー。

ついでに、売店からの帰りの視線の謎もとけた。

ウワサになってるあたしとコータローが一緒にいたから…。

「コータローとは何でもないよ。それにあたし彼氏いるもん。」

「ほらね〜、だから繭子には彼氏がいるって言ったでしょ。」

美羽がほっぺたをぷくっと膨らませて言った。

「ごめん、信じなくて。」

愛衣が申し訳なさそうに、美羽に謝った。

「はぁ〜、私も彼氏欲しいなぁ〜。みんないいなぁ〜。」

ため息まじりのゆうちゃんは、あたし達を羨みながら、それでも笑顔だった。

「…。」

彼氏いるもん、なんて言ったけど…高校が別々になってからは、ホント寂しくて仕方ない。



ーーーこの日の夜、翔矢に電話した。

翔矢のケータイに途中でキャッチが入って…またかけると言ってたのに、かかってこなかった。