”今置かれてる環境の中で、精一杯楽しむことを考えなさい。落ち込んでると楽しい事にも気付けないままだよ。”

雪乃のお母さんの言葉ーーーその通りだ。

「……。」

しっかりしなきゃ。

雪乃にヤキモチ妬いてる場合じゃない。

翔矢とだって家は近いんだから、スグ会える…。

新学期そうそうユウウツの塊じゃ、先が思いやられる…。

「早くお風呂入りなさいよー!」

「…わかってるー!」

下から聞こえてきた声に、あたしは同じくらい大きな声で返事をした。

そして、翔矢にメールをしてから渋々お風呂に向かった…。


空の星はさっきよりも数を増やしていたけれど、そんなことには気づきもしなかったーーー…。