気分はスッキリしていても、何ひとつ解決していないのが現実で、あたしはそこから逃げてちゃいけない……。

学校に近づくにつれて、あたしの心の中はどんよりと膜が張る。


シャラ……

「おはよ、清田さん!乗る?」

「…。」

学校までの道を走ってたら、コータローが自転車で追いついてきたけど、上手く反応できないあたしがいた。

「昨日の事は忘れていいよ。オレら、友達でしょ?」

そう言って、柔らかく笑うコータロー。

何でそんなにフツーなんだ……昨日のアレは、嘘じゃないんだよね?

「…うん。じゃぁ…乗せて。」

「よし。」

自転車が止まるのを確認して、あたしは後ろに乗った。

「…。」

あたしだけ…緊張してるなんてズルイ。

あたしはアナタを振ったのよ…?