何だかんだゆうちゃんはコータローの事を結構気にしていて、たまに会えばしゃべったりしてるそうで。

この前も、なかなかメアドが聞けない、って嘆いていた。

あたしは、コータローのメアドをゆうちゃんに教えてあげるべきなんだろうか……コータローのメアドを知っていると、言えないでいる。

隠してるわけじゃないけど、言うタイミングもないし、勝手に教えていいものか悩んだりもする。

それならコータローに、ゆうちゃんがメアドを知りたがってることを伝えた方がいいのか…。

何だろう…何かがあたしを躊躇(ためら)わせる。


「席つけよー。」

担任が促し、皆がゾロゾロと席についていく。

今朝は、たいくつなホームルームも全然平気。

でも、今日はまだ始まったばかりーーー早く放課後にならないかな。

こんな風に毎日ウキウキできたら、この学校の事も少しは好きになれるのかな…。

「…。」

いつまで経っても自分に都合のいい事しか考えられないあたしは、きっと全然成長などしていないのだろう。