講義の最中、後ろに座った女子生徒の声が聞こえてきた。

「まだ4月なのに盛りすぎじゃない?」

恥ずかしさで顔が熱くなるのと同じように、昨日つけられたばかりのうなじの痕がほんのりと熱を持った。

――熱い。

けれど、そこに手を宛がうのも躊躇して、私はジッとその熱さと痛みと恥ずかしさに耐えているしかなかった。

いい気なもんだと、後ろに座った彼女のことを少しだけ責めてみたりもした。