石田先生、忍者になるの巻



どこからともなく銃声が轟いた‼︎


怯む敵陣。


しかし何故か、全員、逃げ惑う。


絶え間ない機関銃に恐れおののいた敵の忍びたちが、一目散に__。


パラパラパラパラ‼︎


「ヘリだ‼︎ヘリで逃げるぞ‼︎」


空から舞い降りてくる、プロペラ音に集まる忍びたち。


「今だ‼︎」


ボクは得意の縄術で、敵の忍びを一網打尽にしてやった。


機関銃もヘリも、全ては幻。


「忍法、ボイパの術‼︎」


なかなかの完成度のボイスパーカッションによって、忍者村は守られた。


「先生、凄いじゃないですか‼︎」


「よし、こうなりゃオマケだ」


マイクを手で包み込み、ラッパーよろしく石田先生は夜空を見上げた。


ひゅ〜〜〜‼︎


ドッカーン‼︎


大きな花火が何発も打ち上げられる。


煌めく星たちが、音を彩る。


「先生、忍者にしとくのは勿体ないですね」


「そうだな。パティシエになるよ」


「はい?」


「いや、落雁て奥が深そうだから。和風パティシエ」


「和菓子職人でよくないですか?」


「いや、おはぎとか、もっさりしたイメージだし。やっぱり洋風の垢抜けたハイカラなのがいいな。忍法、落雁でモンブラン‼︎」


「完食するまでに糖尿になりそうですけど」


「にんにん‼︎」


(術)