けれど今の私にそんな権利も勇気もない。

「座れば?」

新太は大きく息をしながら、長い足を持て余すようにして腰を下ろした。

怖い。

喉の奥が、重くて痛い。

でも、言わなきゃ。

私は新太の真正面に立って、口を開いた。

「新太。私、新太が好き。恋愛対象外とか言っておいて今更だけど、新太が好き」

新太がゆっくりと私を見た。

「友達とか、同期とか、そんなんじゃなくて、ひとりの男性として好きなの。いつからなのかは分からないんだけど、はっきり自覚したのはついさっきで、このデッサンと自分がいつの間にかそっくりで」

私がそう言うと、新太はデッサンを手に取った。