「課長……」

三崎課長は、唇を引き結んで私を見つめた。

「心配で見に来たんだ。
……白石、俺に頼ってくれないか?」

私は首を横に振った。

「三崎課長。私、ほんとに鈍いんです。今頃、自分の気持ちに気付くなんて。
でも、やっと気付いたんです。
だから三崎課長の気持ちにはお答えできないんです」

三崎課長は、寂しそうに笑った。

「そうか。気付けてよかったな。頑張れよ」

私は泣き笑いの表情で課長を見つめた。

「課長!かっこよすぎです」

課長は、大きく口を開けて笑った。

「知ってる!……早く行け」