「アンナ!」

新太が私の腕を掴んだ。

反動で体がぐらつき、頬に新太の胸が当たる。

「アンナ、アンナ!」

「…………っ!」

ギュウッときつく抱き締めて、新太は私を見つめた。

な、んで。

苦しげな新太の顔と抱擁。

「アンナ、アンナ」

堰を切ったように私を呼ぶ切ない声と、熱い彼の身体。

「し、んた」

驚いて見上げた私に、新太は斜めに顔を近づけた。