「あんな関係は、もう終わりにしよう」

新太は、もう私のいない世界で生きようとしてるんだ。

だとしたら、それを邪魔しちゃいけない。

ゆっくりと、新太は私の真正面に立った。

私は新太を見上げた。

新太の精悍な頬も綺麗な瞳も、全部覚えていようと思って。

大きな体も、何もかも。

「分かった。ごめんね、新太。
新太といると凄く居心地が良くて、私、甘えすぎてたよ。本当にごめん。
それから……今までありがとう」

涙声になるのを必死で抑えたけど、最後は声が震えた。

一瞬だけ新太の驚いた顔が見えたけど、私は素早く身を翻した。