抱き寄せて、キスをして《短編》

加奈ちゃんは足早に部屋を出ていった。

私は力が抜けて、ペタンとリビングの床に座り込んだ。

……加奈ちゃんが、新太のイトコなのは分かった。

けど新太は、なんで恋人だと嘘をついたの?

どうして、私にイトコだってことを内緒にしたの?

なんで加奈ちゃんはあんなに辛そうに泣いてたの?

分かんない。まるで分かんない。

私は床に座り込んだまま、加奈ちゃんに手渡された筒状の分厚い紙を見つめた。

新太の部屋にあったものなの?それを、どうして私に?

私はクルクルとその分厚い紙を広げた。

「っ……な、んで」